みなさま こんにちは
時折、予定日よりもずっと早く生まれた赤ちゃんとお母さんのサポートをさせて頂く機会があります。
早産で小さく生まれた赤ちゃんの場合、赤ちゃんは入院したままで、お母さんだけ先に退院することになるのですが、その場合、お母さんは3時間毎に搾乳した母乳をパックに詰めて冷凍し、その冷凍母乳を赤ちゃんのもとへ届けます。
その場にいない赤ちゃんの為に搾乳を繰り返すのは、お母さん達にとって、とても大変な作業です。
吸ってもらえる事がとても幸せなことに思えたり、逆にそれができないことをみじめに思ったりもしますが、それほどの想いをこめて搾乳した母乳は、強力に赤ちゃんを守ってくれます。
早産だったお母さんの母乳は、10ヶ月で出産したお母さんの母乳と比べて、成分が違うことがわかっています。
早産だったお母さんの母乳には、免疫系の成分や脳の成長を促す成分が、10ヶ月で出産したお母さんの母乳より、多く含まれているそうです。
つまり、早産によって小さく生まれた赤ちゃんがかかりやすい色々な病気から赤ちゃんを守り、健やかに成長が追いついていくのを助けてくれるのです。
特に腸管が未熟なために機能しなくなっていく致命的な病気に対しては、母乳が一番効果があることが分かっています。
早産の赤ちゃんにとってお母さんの母乳は、一生に関わる最高の贈り物なのです。
それがたとえ少量であっても、赤ちゃんはちゃんと全身で受け取っています。
我が子を抱っこして飲んでもらうまでの、その大変な努力を、助産師として最大限の敬意を込めて応援したいと思います。