今回は、母乳がどのように出るようになるかについてお話したいと思います。
「産んだら自然に出るものだと思っていました。」というお声や、
「出るようになるまでにこんなに苦労するなんて。。。」というお話もよく聞きます。
出産前はとくに、「まずは無事に出産すること」 が大切な時期ですから、
「産んだ後のことは産んでから・・・」という方も多いのではないかと思います。
そのような時期では、聞いていてもスルーしてしまうことも多いかもしれません。
ですが、母乳のメカニズムを知ることは、お母さんたちの母乳育児の助けになりますので、
是非この機会に少しでも知って頂けたら嬉しいです。
では、母乳とはいったいどうやって出るようになるものでしょうか。
今回は、そのしくみを簡単に書いてみたいと思います。
母乳分泌をはじめ、妊娠中にお胸が大きくなったり、張ってきたり等、
妊娠出産を通してお母さんにおこる変化には、様々なホルモンが関わっています。
その中でも、一番母乳分泌と関係が深いホルモンは「プロラクチン」です。
「プロラクチン」はお母さんの脳から分泌され、母乳を作る指令を出すホルモンです。
特に産後すぐの乳汁分泌が開始される時に必須のホルモンとされています。
「プロラクチン」の分泌は、妊娠中から徐々に始まって、お産の時がピークになり、
もしも出産後に授乳をしなかった場合、1週間で妊娠前と同じレベルに下がると言われています。
ですが、出産後に赤ちゃんがしっかりと授乳をすることによって分泌が維持されます。
しかし、授乳と授乳の間隔が長くなる等、お胸に刺激が入る回数が少なくなると、
「プロラクチン」の分泌は低下してしまいます。
授乳回数が少ないと乳汁の分泌が低下するのはこのためです。
さらに、「赤ちゃんがしっかり刺激をしてくれる」ということが重要です。
お胸が張ってくるときに、赤ちゃんが吸いやすいように柔らかくすることで循環が改善され、母乳が流れていくように支援致します。
また、刺激不足なために張ってこない場合も、搾乳、マッサージを組み合わせプロラクチンを刺激するお手伝いをし、授乳の確立を促していくことが、産後すぐのサポートです。
その後、泣いたら授乳していくという、赤ちゃん主導の授乳から、母乳分泌が確立してくると、ママと赤ちゃんの二人三脚で授乳が進むスタイルに整ってきます。
産後すぐの時期がとても大事なのは、ホルモンのしくみが一つの要因です。
とは言え、一番大変な時期であることも間違いないですよね。
昔から100日が目安というのは、色んな意味でその通りだなと思います。
そして、なんとなくの授乳リズムを整えていくことが、ちょっとしたコツかなと私は感じています。
自力で自転車をこぐことも達成感ですが、少し背中を押してもらうとぐっと進んだり、ご自分のペースをつかめることもあるかと思います。
もしも一人で悩まれている方がいらしたら、遠慮なくご相談下さい。
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