前回から引き続き、産後のお話を書かせて頂きます。
赤ちゃんが生まれてすぐから、
「赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませて下さいね」
という言葉をよく言われるように思います。
本当にそうでしょうか?
産褥早期では特に注意してほしい言葉です。
乳腺機能というのは、人それぞれ違うものです。
特にお母さんと赤ちゃんの組み合わせによって、全く母乳が出る経過は変わってきます。
母乳育児においては、生まれてすぐから吸わせましょう。ということが奨励されています。しかし、赤ちゃんが小さくお母さんのお胸に吸い付くことが困難だったり、吸えても深く含めない場合は、有効な刺激にならず、分泌量が上がらないということもあります。
パンパンに張りすぎてむくんでしまった場合も、
「とにかく吸わせて下さい」と言われることも珍しくありません。
しかし、張りすぎてむくんだお胸で吸わせても、なかなか母乳が出てこず、
刺激だけがお胸に与えられてしまいます。
結果、さらにお胸がむくんでしまうことになり、全く母乳が出ないという状況にも発展します。そのまま母乳量が減少したり、または乳腺炎に至るといった方を拝見することがありました。
そこで、搾乳がとても大切になってきます。
少し圧が抜けるだけも、お母さんが楽になりますし、赤ちゃんも吸いやすくなります。
何らかの事情で赤ちゃんと離れ離れになってしまうような場合も、お母さん方は本当に頑張って搾乳を続けてらっしゃることもありますね。
また、赤ちゃんが上手に吸えず、吸ってるようで寝ていたり、
うまく赤ちゃんのお口に入れてあげられない場合なども、搾乳による刺激が必要です。
お胸が張っていなくても、搾乳による刺激で赤ちゃんが吸うような刺激をお胸に与えると、母乳が必要なんだね? とお母さんの脳が刺激をキャッチして、母乳が出るようになるのです。
入院中、赤ちゃんの抱き方、お口に入れる含ませ方を教えて頂いていると思いますが、
それに加えて、搾乳の仕方も教えてもらえると良いですね。
搾乳を自分で出来るようになると、その後のセルフケアがとってもやりやすく、簡単になります。
本来搾乳というのは、痛みを伴うものではなく、できるだけ優しく効果的に行うものです。
特にパンパンにはったお胸は、皮膚が傷つきやすい状態になっています。
できるだけ乳頭に傷をつけないように搾乳をしていくことが大切です。
私は訪問という仕事がら、産褥早期にお電話頂き、お伺いすることが多いのですが、
もっと早くに知りたかった~!
というお声を頂くことがとても多いです。
そんな経験もあって、来年からは妊娠中の母乳相談もお受けしようと考えています。
赤ちゃんの抱き方、母乳の含ませ方、
どうやったら母乳が出るようになるのかという仕組みをお話いたします。
もちろん、搾乳の仕方もお教え致します。
ご希望の方はどうぞお電話でご予約下さい。
来年は1月5日より出張致しますが、お電話の受付はしております。
今年も一年間、たくさんの出逢いをありがとうございました。
みなさまのおかげで充実した時間を過ごさせて頂きました。
感謝申し上げます。
サブタイトル
あかちゃんとお母さんのための桶谷式母乳育児相談
診療説明
ご出産おめでとうございます!
入院中、退院後の乳房マッサージや授乳指導。
また、
・あかちゃんの体重増加やミルク量
・直接授乳ができない
・乳房が腫れて痛い
・断乳
等、授乳期に関するご相談を承っております。
早めに対応させて頂くことで、改善の一助となればと思いますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
2017年12月31日日曜日
2017年8月15日火曜日
産後直後の母乳分泌
皆さま この夏は雨が続いていますね。
体調も崩しやすい時ですので、お互いさま体調管理に気を付けていきましょう。
さて、今回は入院中のお話、赤ちゃんが生まれてからの1週間について
書いてみたいと思います。
待望の赤ちゃんが生まれた後、幸せな瞬間がやってきますね。
そして、頑張った疲労感や達成感、色々な感情で満たされている時、お母さんと赤ちゃんを繋いていた胎盤が身体の外に出てきます。
その胎盤こそ、母乳の分泌を抑えていたものなのです。
実は、母乳を作るホルモンは、出産が終わるとゆっくりと下がっていきますが、授乳で赤ちゃんが吸ってくれる刺激により、一時的に上昇するのです。
つまり、出産後すぐから赤ちゃんが吸ってくれることが、母乳を出すホルモンを保つ秘訣です。
その刺激が、適切な方法で確実に行われることで、母乳は出る仕組みになっているのです。
赤ちゃんが母乳を吸う刺激がないと、産んでからたったの1週間で妊娠前のホルモン値まで下がってしまうそうです。
なのでもし、何かの理由でお母さんの元から赤ちゃんが離れてしまった場合、お母さんは搾乳をする必要があります。
それも、1日1回ではなく、3時間毎、赤ちゃんが母乳を吸うペースで搾乳をすることがとても大切なのです。
「母乳がまだ出てないので出るようになったら吸わせます」という方もいますが、それは逆のことで、搾る刺激、吸ってもらう刺激があるから、母乳は分泌するようになるのです。
病院によっては夜間赤ちゃんを預かって下さる所もありますが、母乳で育てたいご希望がある方は、可能なかぎり病院スタッフさんに夜間も起こしてもらって授乳ができるといいですね。
そのためにも、入院中はできるだけお昼寝時間を取れるように、面会なども最低限にされることをお勧めします♪
次回は、「欲しがるだけ飲ませましょう」ってほんと?というお話をしたいと思います。
2017年3月17日金曜日
断乳とは親子のステップアップ
3月に入り、断乳のご相談が増えています。
4月からの職場復帰、新生活に向けて準備をされる方が多いようですね。
さて、今回は断乳する前のご相談に多いものを、ご紹介したいと思います。
「いきなり断乳すると、子どもにとってトラウマになりませんか?」 と聞かれることがあります。
桶谷式断乳とは、母と子の関係性、母親の気持ち、子どもの発達や状況、家族の状況など、色々な事を考慮した上で、その時期をお母さんと相談しながら決めていきます。
断乳のやり方のみが先行してしまいますが、そこには「赤ちゃんから子どもへの階段を登る」という、もっと奥深いものがあるように思います。
子どもにもきちんと説明し、準備状況を確認しながら行うことは、何の前触れもない「いきなり断乳」とは大分違うのです。
これについて、桶谷認定者の故・相川公代先生が「育児通信 No142」に書かれた記事をご紹介したいと思います。
相川先生は、母親と子供が母乳育児を終える時点(断乳)から子供が青年になるまでの期間を様々な方法でモニタリングし、青年になった子どもが断乳について嫌な経験と認識している可能性が低いことを研究された方です。
~以下引用~
「断乳」の頃の子どもは発達心理学でも自立心が出てくる時期だといわれていて、子どもの行動を観ていると、自分でやろうとすることが増え、人にやってあげようとさえします。
色々なことを理解しているような行動が多く観られ、子どもに“自立したい”という欲求も出てきているのではないでしょうか。
そんな時期に親が「あなたは、もうおっぱいが無くても絶対にやっていけるよ!一緒に頑張ってみよう!」と子どもの背中をポンと押すと、子どもはやってのけます。
それが子どもを見る目を変えるのだと思います。
それができるのは、そこまでお母さんが子どもにしっかり母乳を飲ませて、お母さんと子どもの関係性がつくられてきているからだと思います。
~~~~~~
相川先生が言うように、断乳は決してトラウマになるようなことではなく、子どもの成長過程の一つだと思います。
断乳がお母さんと子どもの、良い機会となるようにサポートさせて頂きます。
4月からの職場復帰、新生活に向けて準備をされる方が多いようですね。
さて、今回は断乳する前のご相談に多いものを、ご紹介したいと思います。
「いきなり断乳すると、子どもにとってトラウマになりませんか?」 と聞かれることがあります。
桶谷式断乳とは、母と子の関係性、母親の気持ち、子どもの発達や状況、家族の状況など、色々な事を考慮した上で、その時期をお母さんと相談しながら決めていきます。
断乳のやり方のみが先行してしまいますが、そこには「赤ちゃんから子どもへの階段を登る」という、もっと奥深いものがあるように思います。
子どもにもきちんと説明し、準備状況を確認しながら行うことは、何の前触れもない「いきなり断乳」とは大分違うのです。
これについて、桶谷認定者の故・相川公代先生が「育児通信 No142」に書かれた記事をご紹介したいと思います。
相川先生は、母親と子供が母乳育児を終える時点(断乳)から子供が青年になるまでの期間を様々な方法でモニタリングし、青年になった子どもが断乳について嫌な経験と認識している可能性が低いことを研究された方です。
~以下引用~
「断乳」の頃の子どもは発達心理学でも自立心が出てくる時期だといわれていて、子どもの行動を観ていると、自分でやろうとすることが増え、人にやってあげようとさえします。
色々なことを理解しているような行動が多く観られ、子どもに“自立したい”という欲求も出てきているのではないでしょうか。
そんな時期に親が「あなたは、もうおっぱいが無くても絶対にやっていけるよ!一緒に頑張ってみよう!」と子どもの背中をポンと押すと、子どもはやってのけます。
それが子どもを見る目を変えるのだと思います。
それができるのは、そこまでお母さんが子どもにしっかり母乳を飲ませて、お母さんと子どもの関係性がつくられてきているからだと思います。
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相川先生が言うように、断乳は決してトラウマになるようなことではなく、子どもの成長過程の一つだと思います。
断乳がお母さんと子どもの、良い機会となるようにサポートさせて頂きます。
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