サブタイトル

あかちゃんとお母さんのための桶谷式母乳育児相談

診療説明


ご出産おめでとうございます!

入院中、退院後の乳房マッサージや授乳指導。
また、
  ・あかちゃんの体重増加やミルク量
  ・直接授乳ができない
  ・乳房が腫れて痛い
  ・断乳

等、授乳期に関するご相談を承っております。

早めに対応させて頂くことで、改善の一助となればと思いますので、お気軽にお問い合わせ下さい。






2022年2月14日月曜日

白斑について


よく乳首の先に白い点のようなものがあって、そこが痛いんです。調べると白斑(はくはん)って

出てきて、頻繁に飲ませるとなくなるって書いてあるので・・・


というお話、とってもよく聞きます。


まず、それがほんとに白斑なのかという判断がとても大事です。

乳口炎といって、炎症が起こっている場合や、腫れている場合、頻繁に授乳することで逆効果になることもあります。


まずは、引っ張って飲まれていたり、ずっと長い時間つぶしながら飲んでいないか。

抱き方含ませ方をしっかり見ていくことが必要です。


乳頭を痛める飲ませ方をしないように、痛くない飲ませ方を知っておくことはとても重要なことです。


そのうえで、保護クリームを塗ったり、硬くなった乳頭をたっぷり保湿して保護してあげましょう。


その際、サランラップを乳頭に張ることは必要ないです。水分で群れて余計に皮膚を弱めることになります。


「唯一母乳が出てくる出口だから、ここを痛めないように使うこと。それが世界一大事だよ。」と教えられてきました。


頻繁に飲ませたら治るというのは、注意が必要です。「痛めないこと」を付け加えたいと思います。


ではでは。

2022年2月8日火曜日

母乳とミルクの混合で育てたい

今日は「混合で育てたいです。」という意向のお母さんたちのお話を書いてみたいと思います。


「出かける時に、預けられるように、母乳とミルクの混合で育てたいんです。」というお声をよく耳にします。


ネットに書いてあったり、子育てママのお話や一人目の体験をもとに、混合ご希望の方が多くなっているんですね。


よくよくお母さん方から、「混合」の意味を聞いていくと、「夜はミルクで昼間は母乳で育てたいです。」という希望や、


逆に、「夜は母乳だけで寝てほしくて、寝る前だけ1回ミルクを足したい。」とか、


「保育園に入る時にミルクが飲めるようにしてあげたい。」など、本当にご家庭によって様々なご希望があります。



多様な生活を送る時代ですので、ニーズも多様化していることを実感しています。


どんな母乳育児をしたいかというのは、どうやったら母乳が出るようになって、どうやったら出なくなるのか。


というしくみを理解しておくことが一番大切です。


それを知ることで、自分の望む母乳育児と照らし合わせて考えられるのではないでしょうか。


一日の母乳とミルクの割合をどうしたいのか、という事を考える時、いつまで母乳育児を続けたいか。ということも


合わせて考えておくことが必要です。


母乳の出方は、授乳間隔がぐっとあいたり、授乳回数が減ると、徐々に分泌が少なくなるというしくみになっています。


特に、最初のスタートがとても大切で、立ち上がりが重要です。


何しろホルモンで母乳は左右されます。


その後は、どれだけ母乳がお胸から取り除けたのかという事が、母乳分泌と深く関わってきます。


訪問の際に、それぞれのニーズに合うやり方や、いつまで続けたいというご希望に沿ったお話ができたらと思います。


そして、早い時期にやり方やしくみを知れば知るほど、ご自分のホルモンを味方につけていけます^^

それから、母乳だけしか飲まないと大変と思う方も多いですが、母乳だけがほんとに楽だと思う方もおられます。

そして、母乳が楽なのは分かっているんだけど、生活を回すためにはミルクを飲んでもらわないと困る

というお声もありますよね。



どれが正解という事はありません。


お母さん方が望んでいた事と、現実のやり方が違ったのか!という事がなるべく少なくなるように、なればいいなと思います!


まずは知ることが最初です^^


「産んだら出ると思ってた~。」というお声や、「お産より苦労するとは・・・」というお声、また、「何の苦労もなかったです。」

というお話の中にあるお気持ちに寄り添いつつ、今日も拝見しています。



ではでは。


2022年2月7日月曜日

保護器の外し方

よく支援を求められることの一つが、保護器を外したいという事です。


保護器を入院中に勧められて使い始める方もおられると思います。


保護器を用いる際は、上手に吸えないから使い始めるということがほとんどです。

まれに乳頭の痛みがあるからと使用する方もいますが、乳頭痛のケアはまた別の所で書きたいと思います。


基本的に赤ちゃんが吸えるようになるまでの移行期間というイメージです。


☆分泌を止めない事☆


お母さんのおっぱいを飲もうとした時、全く出ていないとなかなか吸い付こうという意欲が起きにくいものです。

(例外の赤ちゃんもいますが^^)


ですので、まず大事なのは、分泌をとめないこと。です。


もともと持って生まれた吸い付く反射で飲もうとする姿も見られますが、

吸っても吸ってもなかなか出てこないと、赤ちゃんは力尽きちゃったり、

泣いて仰け反ったりすることも見られるようになるからです。



たまに、どうしてこんなに良いおっぱいで、保護器を使っているのかしら。。。と思う事もあります。

私が拝見する時は、もうすでにお胸の張りが落ち着いていたり、浮腫みが引いたりしていることが多いので、

そう感じるのだと思いますが、保護器を外すタイミングというのもとても大切で、

できるだけ早く外してあげる方が良いです。


生まれて間もない時期は、しっかり起きて吸うということができなかったり、

お胸が張って硬くなると、赤ちゃんの力ではとても吸いにくくなっている場合もあります。

お胸は数日でどんどん変化していきます。




数日経過すると、胸の張りがなくなり、赤ちゃんもしっかり量を飲みたがるようになって、

意外にも保護器いらなかったね。というケースもあります。

その胸の状態にあわせて修正していくことが、よりスムーズな支援に繋がると思います。


☆抱き方と含ませ方のテクニック☆


また、抱き方含ませ方は、ここでもかなり重要な要素になります。

ちゃんと吸えなかった場合、赤ちゃんのお口がおっぱいにちゃんとフィットするかどうかの練習もできないまま退院することも多いです。


そのやり方コツを習得すると、数日で吸えるようになる場合もあります。


☆赤ちゃんの出生体重☆


次に赤ちゃんが生まれた時の体重も左右される要因かと思います。

体重が2キロ代の赤ちゃんと3キロ代の赤ちゃんだと、体格も全然違うし、口の大きさ、吸う力の強さも全然異なります。

もちろん3キロ代に赤ちゃんの方が全てにおいて力強いです。

考慮するべき大切な要素になるかと思います。


☆無理強いをしない☆


赤ちゃんが今まで吸っていたシリコンの保護器、哺乳瓶から、お母さんのおっぱいの感触に

移行する時というのは、この感触何だろうと不思議な感じでなめている子もいれば、

びっくりして仰け反る子もいます。


なだめながらゆっくり慣れることも一つ。吸い方を教えてあげて、

「あっ!ここからミルク出るんだ!」と気づくと、あのぐずりは何だったのかと思うほど、あっけなく吸う赤ちゃんもいます。


ですが、無理強いをし過ぎると、胸に抱っこしただけで、泣くようになる子もいます。

赤ちゃんにもちゃんと意志があって、感じているんだなと思う瞬間でもあります。


もし、抱っこするだけで泣くような様子が見られるようなら、

まず「お母さんの胸の上は気持ちいいい場所だよ。安心する場所はここだよ。」と、教えてあげることからスタートです。


吸えない状態の時に無理をするのは避けましょう。


適切な時期を待つという事も一つの方法ですからね。

焦らず、良い時期に外してあげたいものです^^


ではまた。


2022年2月5日土曜日

助産院移転のクラウドファンディングのお願い(2月末まで)

 今日は、中野区のアウトリーチでお世話になっているしらさぎふれあい助産院の移転についてです。

助産院の移転ご協力のお願い


↑今月末までの応援依頼です。



お母さんと赤ちゃんが尊重される幸せなお産を目指して移転をすることになり、みなさまのご協力を募っています。


産後の日帰りデイケアは1ヶ月500人待ちという大人気の助産院です。


産後の不安な時期を過ごせる場所が一つでも多く作られ、お母さんと赤ちゃんが安心できるところを

増やしていくことは、現代においてとても重要なことだと痛感しています。


孤立を減らし、いい循環を母子関係から、家庭から作っていくこと、

それは助産師が担っていると私は思います。


パワフルな木村院長のプロフィールを読むだけでも、元気になれるのではないかと思います^^


またお近くの方は是非チェックしてみてください。

こんな場所があるんだと知っておくことは安心につながります。



ではでは。


2022年2月3日木曜日

直接母乳を飲めない時は保護器?

母乳外来で保護器を外したいというご相談で見える方がおられます。


保護器(シールド)とは、哺乳瓶の乳首のようなカバーを乳頭にかぶせて

使うものです。


赤ちゃんが吸いやすいようにと使用を勧められて使っていた、もしくは、使用している方もおられるかと思います。


赤ちゃんが母乳をしっかり飲みとれるためには、舌の上に乳首が乗って、しっかりと吸えることが必要になります。


そのため、お口が小さかったり、乳首が短くて、うまく吸えないときなどは、使ってみましょうとなる場合があります。



その時、注意したいことを書いておきます。


☆できるだけ早く外せるようにしましょう。


☆分泌がよい方は乳腺炎に注意しましょう。


☆分泌が上がってこない方は搾乳を平行してみましょう。


あくまでも補助的に使うものなので、赤ちゃんに直接飲んでもらう方がしっかりとした刺激が入ります。


そうすると、分泌が上がってくるという好循環がおきてくるわけです。


また、保護器を使用して吸引圧をかけても、うまく飲めていない乳腺がある場合、母乳が溜まったままになってしまうことがあります。

それは以前にもお話しましたが、乳腺炎のリスクが高くなることにもつながります。


そして、シリコンを介して授乳をすることで、あまり吸われている実感がないなぁという場合は、搾乳をしておく方が良いと思います。刺激が減ってしまうことを防ぐためです。


保護器を外す方法はまた次回に書いてみたいと思います。

ではでは。

2022年2月2日水曜日

乳腺炎の時、どのタイミングで受診する?

みなさん こんにちは! 

今日は「乳腺炎っぽい時、どのタイミングでかかるといいですか?」


というお話を書いてみたいと思います。


まず、乳腺炎とは、急に起こることが多いですが、お胸の一部分が痛くなったり、赤くなったり、しこりができたりします。

また、急に熱が出ることもあり、それに伴う悪寒とか、関節痛といった、まるでインフルエンザの時みたいな症状が出ることがあります。


だけど、喉は痛くなかったり、喉のリンパが腫れたり、鼻水出たりといった風邪症状がないことが特徴です。


そこはコロナとはちょっと違うところかなと思います。


乳腺炎の発熱はいきなりポンっと上がることもあり、びっくりすることが多いようです。


その時はご自身の体が、全身の熱を上げて、戦うモ―ドになるわけですから、身体を休める必要があります。


しかし、前回書きましたが、溜まった母乳を外に出さないといけないので、授乳もしくは搾乳を行うことが大切です。


たまに、「熱で寝込んでしまって、ずっと寝て耐えていました。」という方もいますが、


そうすると治りにくいのです。


その時、授乳をしていくことが必須ですが、痛くてできない。もしくは、飲んでくれないという時は、搾乳が必要です。


それもうまくできない。痛いところから出せないという時は、早めに受診される事をお勧めします。


乳腺炎になる原因もいろいろで、お母さん方から「詰まってしまって・・・」とご連絡をいただくことが多いです。


ですが、本当に「詰まる」という状況かどうかは、拝見して搾ってみないと分からないなと思います。


実際にカルシウムのような石のようなものが詰まっていることもありますし、母乳が出る乳腺が腫れて母乳が出にくくなっている場合や、

炎症でたまっている乳腺が硬くなって、つまってないけど母乳が出にくくなっている場合も

あります。


ですので、もちろん、飲んでもらって治る場合もあれば、時間をかけても治らない場合もあるのです。


その適切な判断をするために、乳腺炎の判断基準も出されています。


その判断基準の中では、症状が出てから、24時間、48時間、72時間という枠組みで書かれています。


私自身の経験からも、お母さんのお話で発症してからの時間経過が長いほど、私も慎重になりますし、改善するまでの時間がかかる印象も印象もあります。



乳腺炎時は「とにかく、飲ませましょう。」とよく言われますし、ネットにも書いてありますが、改善しない時は、早めに診てもらうことが一番です。


特に何時間以内ということではありませんが、明日が休日だとか、夜になってしまう前にとか、その状況に応じて動かれると良いかと思います。


先日、土曜日に母乳外来を担当していた時、お昼前に詰まってしまったというお母さんからお電話があり、


「1,2時間前から詰まって、明日は病院がお休みだし、今日診てもらいたい。」というご連絡がありました。


病院は午前中のみでしたが、私も拝見できる時間があったので今すぐ来てください。


とお伝えしたことがありました。


お母さんは駆け込みで来院され恐縮されていましたが、私の内心は「早く来てくれて良かったぁ。私もやりやすいし、ありがたい。」と思っていました。


長引くほど、こじれる場合があったり、経過が長くなるので、お母さんが結局つらくなるということがあります。


それは、私も胸が痛いですし、手技をするのも大変になります。


お受けできない時は、その旨お伝えして、他のしっかりと乳腺炎を診てくださる乳腺外科クリニックの受診をすすめたり、対処法をお伝えしたりしています。


どうぞ一人で抱えず、近隣母乳外来、病院、クリニック、助産院へご連絡ください。


ちなみに、土曜日に駆け込まれたお母さんは、乳房マッサージと搾乳で溜まった母乳を取り除き、しこりはまだ残りましたが、


炎症部分の乳管から母乳がじわじわと出ていること、しこりの痛みが軽くなったことを確認し、ご自分で授乳ができそうなレベルの痛みになり、


お薬処方は必要なく帰宅されました。 良かったです^^。私もホッとして仕事を終えました。


常々思いますが、ご自分が信頼できるところを見つけておかれるのは、備えとしても有効なのではないかなと思います。


長くなりましたm(_ _)m ではでは。


2022年2月1日火曜日

乳腺炎になったらどこにいく?

 乳腺炎の時はどこで診察してもらうの?


よく頂くご質問で、どこにかかったらいいのか分からなかったというお話を聞くことがあります。


乳腺炎になると医師の診察・処方ということで、お薬を出してもらうことがあります。


その時に、母乳外来なのか、乳腺外科なのか、もしくは産科クリニックなのか。。。と

迷われるということがあります。


迷った末、母乳外来にたどり着くということがあります。


基本的に乳腺炎は、溜まった母乳を取り除いていくことで治っていきます。


その方法は赤ちゃんに飲んでもらう、固くなって飲めない場合は、搾乳をして取り除いていきます。


それは、基本的に助産師が行います。医師が母乳マッサージを行うということではないので、


乳腺外科に受診されても、母乳外来へと促されることが多いです。


では、お薬はどこでもらうのか、というと、母乳外来で担当した助産師から医師に報告し、処方に至ることがほとんどではないかと思います。


薬だけほしい場合は、近隣の内科や産婦人科などを受診してもらうことで出してもらえると思いますが、


母乳マッサージは行わない場合が多いです。


もし受診されたクリニックにマッサージのできる方がいて、お時間があるとそれも可能だと思います。


受診される近隣のクリニックに問い合わせて聞いてみるのが一番です。



熱がある状態で何日も耐えるということは、お勧めできないです。


それは、飲ませていたらよくなるとは限らないからです。


もしも全く飲めていないまま、日数が経過し、たまった母乳が膿になっていくと、それを放っておくのはとても危ないです。


「痛くなってからどのくらい経っていますか?」というのは、必ず聞かれることだと思います。


症状が出て早ければ、治りもいいし、遅くなるほど悪化している可能性も考えていくからです。


どのタイミングで受診するのか。次回書いていきます。


ではでは。